投稿日: WWW 論文紹介

【論文紹介】I’ll Be Back: On the Multiple Lives of Users of a Mobile Activity Tracking Application

Zhiyuan Lin, Tim Althoff, Jure Leskovec
WWW 2018
ACM, PDF

概要

Argusというスマホのダイエット用アプリのログを使って、ユーザのengagementを分析した論文。アプリやWebサービスに対するユーザのengagementを分析する研究では、ユーザがサービスから離れたら二度と戻ってこないような状況(single life)を想定していたが、この研究では一度アプリの使用をやめたユーザが再び戻ってくる状況(multiple lives)を想定している点が新しい。ログの分析に加えて、ユーザが再度アプリを使用するか否かの予測、ユーザが長期に渡ってアプリを使用するか否かの予測も行っている。

分析

Argusの2013年7月から2016年1月のログを使用。ユーザ数は133万人。ジョギングや睡眠、体重、飲み物を口にしたログなどを記録でき、総記録数は1.15億件。ログの間隔が30日以内であれば、一連のアプリ使用期間とみなす。たとえばアプリを使い始めて3週間はコンスタントにログをつけ続け(1st active period)、その後2ヶ月ログを残さず(inactive)、また新たにログをつけ始めたら、2nd active periodが始まったとみなす。

1st active periodからinactiveになったユーザのうち、実に76%ものユーザが2nd active periodの記録を持っていた。健康管理アプリにおいては、一度アプリの使用をやめても再び戻ってくることは珍しいことではないことを示している。また、1stと2ndではいずれも、最初のうちは記録回数が多くて、時間の経過とともに記録回数が減るという挙動がみられた。これは3番目以降のactive periodでも同様であった。したがって、ユーザはアプリの使用を再開するごとに、同じようなライフサイクルをたどることが明らかになった。

アプリでは様々な活動が記録できるが、87%のユーザは、1種類の活動の記録が全体の50%を占めていた。ユーザごとの最も記録回数の多い活動(primary activity)の分布を調べると、drinkが1位で、heartrate、run、weightと続く。n回目とn+1回目のactive periodでprimary activityが同じである確率はnの値によらずほぼ50%と高い数値であった。

体重、ランニング時間、ウォーキング時間、睡眠時間のそれぞれについて、各active periodの最初と最後の記録を比較すると、いずれの活動も、各active periodで改善されており、ユーザは自分の目標を達成してやめることが多いことがわかった。体重であれば、目標を達成したものの、再度体重が増えたために、またアプリの使用を再開する傾向にあることなども明らかになった。

Engagement推定

分析に使った素性を使って、2つの予測タスクを行った:(1)n番目のactive periodのログから、そのユーザがアプリに戻ってきてn+1番目のactive periodを始めるかどうか、(2)n番目のactive periodの最初の4週間のログから、そのユーザがその後30日以内にinactive期間に入るか、183日以上active periodが継続するか。分類器はGradient Boosted Treeを使用し、評価尺度にはROC AUCを使用。

n=1のとき、ROC AUCの値は(1)では0.71、(2)では0.82であった。いずれのタスクでも、nの値が大きくなるにつれて活動の記録数が少なくなっていくため、ROC AUCの値が下がっていった。


-WWW, 論文紹介

関連記事

What’s in a hashtag?: content based prediction of the spread of ideas in microblogging communities

sur, Oren Rappoport, Ari In Proc. of WSDM 2012 http://dl.acm.org/citation.cfm?id=2124320 概要 ツイッター上で、 …

【論文紹介】Local implicit feedback mining for music recommendation

Yang, Diyi and Chen, Tianqi and Zhang, Weinan and Lu, Qiuxia and Yu, Yong RecSys 2012 ACM, PDF 概要 ある …

Modeling documents as mixtures of persons for expert finding

Serdyukov, Pavel Hiemstra, Djoerd In Proc. of ECIR2008 http://dl.acm.org/citation.cfm?id=1793313 概要 …

Time-sensitive query auto-completion

Shokouhi, Milad Radinsky, Kira In Proc. of SIGIR 2012 http://dl.acm.org/citation.cfm?id=2348364 概要 従 …

Personalized Models of Search Satisfaction

Ahmed Hassan Ryen W. White In Proc. of CIKM 2013 概要 ユーザが検索セッションに対して満足したか,不満足だったかを知ることは検索エンジンの質を高めるうえ …